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入門

旧NISAと新NISAの違いを比較【移行・ロールオーバーの注意点も解説】

旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)と新NISAの制度比較。非課税期間・投資枠・ロールオーバー廃止など主な変更点を一覧で整理。

マネーSIM編集部

FP2級・証券外務員一種 | NISA・資産運用・税制専門

旧NISAと新NISAの制度比較:3つの革新的変更点

2023年末で終了した旧NISAと、2024年から始まった新NISAの最大の違いは「非課税保有期間が無期限になった」「年間投資上限が360万円(旧最大120万円)に拡大した」「積立・成長の両枠を同時利用できるようになった」の3点です。さらに2026年度税制改正(2025年12月26日閣議決定)で2027年以降の制度はさらに使いやすくなります。

比較項目旧つみたてNISA旧一般NISA新NISA(2024年〜)
年間投資上限40万円120万円360万円(積立120万+成長240万)
非課税保有期間20年(有期)5年(有期)無期限
生涯投資上限800万円(累計)600万円(累計)1,800万円(成長枠上限1,200万円)
対象商品金融庁認定の投資信託株式・投資信託・ETF全般両方(枠ごとに異なる)
枠の併用不可(一般と選択制)不可(つみたてと選択制)積立+成長を同時利用可
制度の恒久性2042年末まで2023年末で終了恒久化(終了年なし)
枠の再利用不可不可売却後に翌年以降復活(2027年から当年内)

旧NISAで保有中の資産は、非課税期間満了まで旧制度のルールで保有継続できます。新NISAへのロールオーバー(移行)はできません。旧NISAの資産を新NISAに移すには一度売却してから新NISAで買い直す必要があります。

旧一般NISAの終了と注意点

旧一般NISAは2023年末で新規投資受付が終了しました。2023年以前に購入した資産は、購入から5年間の非課税期間が終了するまで保有し続けることができます。2023年に購入した分なら2027年末まで、2022年購入分なら2026年末まで非課税で持ち続けられます。

購入年非課税期間終了対応方法
2019年購入分2023年12月末(終了済み)既に課税口座に移管済み
2020年購入分2024年12月末(終了済み)既に課税口座に移管済み
2021年購入分2025年12月末2025年中に売却か課税口座へ移管
2022年購入分2026年12月末2026年末までに売却or移管
2023年購入分2027年12月末2027年末までに売却or移管

旧一般NISAの非課税期間が終了した資産は、自動的に課税口座(特定口座または一般口座)に移管されます。移管時点の時価が取得価額として扱われるため、移管時点での課税はありません。ただしその後値上がりした分には課税されます。

旧一般NISAの資産を新NISAに移したい場合は、一度売却して新NISAで買い直す必要があります(ロールオーバー不可)。売却益は非課税で、新NISAの生涯投資枠1,800万円が消費されます。

旧つみたてNISAの継続保有

旧つみたてNISAも2023年末で新規投資受付が終了しましたが、保有中の資産は最長20年間の非課税期間が終了するまで保有し続けることができます。2023年に購入した分であれば2042年末まで非課税で運用できます。

重要なのは、旧NISAで積み立てていた分を継続しながら、新NISAの枠を使って新たな投資もできるという点です。2024年以降は旧NISAの継続保有と新NISAへの新規投資を並行して進められます。旧つみたてNISAは「放置でOK」、新NISAで積立を新たに始めるのがベストな移行戦略です。

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新NISAの「枠の再利用」:2027年改正でさらに便利に

新NISAで特に強化されたのが「生涯1,800万円」という大きな枠と「枠の再利用」です。旧NISAでは一度使った枠は復活しませんでしたが、新NISAでは売却した資産の簿価分が翌年に復活します。さらに2026年度税制改正(2027年1月〜予定)では「当年内に枠が復活」するように改善されます。

制度枠の復活タイミングメリット
旧NISA(〜2023年)復活しない(使い切り)なし
新NISA(2024〜2026年)売却した翌年1月1日以降年をまたいで再投資できる
新NISA(2027年〜:改正後)売却した当年内(同年内)1月に売却すれば同年内に再投資可能。機動性が大幅向上

2027年以降は「1月に100万円売却→2月に同じ100万円を再投資」が同年内に可能になります。例えば利益確定後に同じ商品を買い直したい場合や、ポートフォリオの組み替えをしたい場合に年をまたがず対応できるようになります。

ただし年間投資上限(360万円)は変わりません。当年内に復活した枠と通常の年間枠を合計しても、1年間に投資できる上限は360万円です。

新NISAを早く始めるほど有利な理由:シミュレーション

月投資額年間投資額1,800万円達成年数達成後も運用継続(年率6%・65歳時)
月3万円36万円/年50年(75歳)元本は少ないが複利継続
月5万円60万円/年30年(55歳)約4,000万円超
月10万円(積立枠上限)120万円/年15年(40歳)約7,000万円超
月30万円(年間上限フル)360万円/年5年(30歳)約1億5,000万円超(40年運用)

新NISAは非課税保有期間が無期限のため、1,800万円の枠を使い切った後も売却せずに運用継続できます。月10万円で25歳から始めれば40歳で枠を使い切り、売却せずに65歳まで持ち続けると1億円超になる可能性があります(年率6%仮定)。

【実例】旧NISAから新NISAへの移行:橋本さん(40歳)の戦略

橋本さん(40歳・会社員)は旧つみたてNISAを2019年から月3万円で積み立ててきました。2023年末時点で保有資産は約215万円(元本180万円+評価益35万円)。2024年から新NISAに移行するかどうかを検討しました。

選択肢内容橋本さんの判断
旧NISAをそのまま保有2042年末まで非課税で継続運用できる継続保有を選択。焦って売る必要なし
旧NISAを売却→新NISAに移す売却益(35万円)は非課税、新NISAの枠を使って再投資225万円の新NISA枠を使う価値あり
新NISAで追加積立を開始旧NISAはそのまま、新NISAで月5万円追加最も合理的と判断して実行

橋本さんは旧つみたてNISAの215万円をそのまま継続保有しながら、2024年から新NISAで月5万円の積立を追加開始しました。旧NISAは2042年末まで非課税で運用でき、新NISAは生涯枠1,800万円を25年かけて使い切る計画です。「旧NISAを売って新NISAに移す」より「両方を並行稼働させる」方が機会損失なく効率的と判断しました。

旧NISAの保有資産を売却して新NISAに移す場合、売却のタイミングや当年の投資枠の確認が必要です。旧NISAの評価益が大きい場合は非課税のうちに売却して新NISAに移すのも有効な戦略ですが、売却後の相場次第ではリターンが変わる点に注意が必要です。

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まとめ:旧NISAから新NISAへの移行方針

  • 旧つみたてNISA保有分:そのまま継続保有。2042年末まで最大20年間非課税継続できる。売却を急ぐ必要なし
  • 旧一般NISA保有分:非課税期間の終了年を確認し(2026〜2027年末)、期限前に売却か課税口座移管かを検討
  • 新NISAへの移行:旧NISAを継続保有しながら、新NISAで新たな積立を2024年以降に開始
  • 2027年改正(当年復活)を活用:改正後は利益確定→同年内再投資が可能に。大きなライフイベント時の資産組み替えが柔軟になる

旧NISAと新NISAの最大の違いは「非課税期間が無期限になった」「生涯枠が大幅に拡大した」「枠が復活する」の3点です。旧NISAで保有中の資産は焦って売却する必要はなく、非課税期間が終わるまでそのまま保有し続けながら、新NISA口座で新たな積み立てを始めるのがベストな移行方法です。

よくある質問

Q. 旧NISAの資産を新NISAに移せますか?

A. 直接移すこと(ロールオーバー)はできません。旧NISAの資産は非課税期間終了まで旧制度のルールで保有し、新NISAには新たな資金で投資する必要があります。移行したい場合は旧NISAで売却→新NISAで買い直す形になり、新NISAの生涯枠1,800万円を消費します。

Q. 旧NISAと新NISAを同時に使えますか?

A. はい。旧NISAで保有中の資産はそのまま継続保有しながら、新NISAで新たな投資を始めることができます。旧つみたてNISAの保有分は2042年まで、旧一般NISAは購入年から5年間、非課税継続できます。

Q. 旧一般NISAの非課税期間が終わったらどうなりますか?

A. 自動的に課税口座(特定口座または一般口座)に移管されます。移管時の時価が取得価額となるため、移管時点での課税はありません。ただしその後値上がりした分には20.315%の税金がかかります。

Q. 新NISAの「当年内に枠が復活」はいつから始まりますか?

A. 2026年度税制改正(2025年12月26日閣議決定)により2027年1月からの予定です。現行制度(〜2026年末)は売却した翌年1月1日に枠が復活しますが、2027年以降は売却した当年内に枠が復活し、同年内に再投資できるようになります。

Q. 新NISAの生涯投資枠1,800万円は夫婦合算ですか?

A. 1人あたり1,800万円です。夫婦それぞれが別々にNISA口座を開設できるため、夫婦合計では最大3,600万円の非課税枠が使えます。2027年からはこどもNISA(子ども1人あたり総額600万円)も加わるため、子ども2人の夫婦なら合計4,800万円の非課税枠になる見込みです。

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