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入門

積立投資枠と成長投資枠の違いを徹底解説【新NISA活用ガイド】

新NISAの積立投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)の違い・対象商品・使い分けのコツを解説。両枠を最大活用する方法も紹介。

マネーSIM編集部

FP2級・証券外務員一種 | NISA・資産運用・税制専門

積立投資枠と成長投資枠の根本的な違い

積立投資枠と成長投資枠の最大の違いは「対象商品と投資方法の自由度」です。積立投資枠は金融庁が「長期・積立・分散投資に適している」と認定した投資信託だけが対象で、定期積立のみ。成長投資枠は個別株・ETFを含む幅広い商品に、積立も一括も自由に投資できます。

項目積立投資枠成長投資枠
年間投資上限120万円(月10万円)240万円
生涯上限(合計1,800万の内数)上限なし(1,800万全額も可)1,200万円まで
投資方法積立のみ(定期)積立・一括どちらも可
対象商品金融庁指定の長期向け投資信託(約250本)株式・ETF・幅広い投資信託(約1,200本以上)
除外商品なし毎月分配型・レバレッジ型・整理銘柄
日本株・米国株の個別株不可可能

2025年上半期の金融庁データでは、つみたて投資枠の買付額の88.1%がインデックス型投資信託でした。大多数の投資家が「インデックスファンドを積立投資枠で買う」という基本パターンを選んでいます。

どちらを優先すべきか:目的別の正解

「初心者はどちらを使えばよいか」という疑問に対する答えはシンプルです。老後の長期資産形成が目的なら、まず積立投資枠だけで十分です。

投資目的推奨する枠理由
老後資金(20〜30年以上)積立投資枠メイン厳選された低コスト投信に自動積立。初心者でも迷わない
配当収入が欲しい成長投資枠高配当株・増配ETFを購入できる
個別株も投資したい成長投資枠国内・米国個別株を購入可能
枠を早く使い切りたい成長投資枠年240万円をまとめて一括投資できる
まずシンプルに始めたい積立投資枠のみ月数万円の自動積立だけで完結する

配当金を非課税で受け取るための必須設定

成長投資枠で日本株や高配当ETFを保有する場合、配当金を本当に非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。この設定を忘れると、NISA口座で持っていても配当金に20.315%の税金がかかってしまいます。

配当金受取方式NISA口座での課税設定場所
株式数比例配分方式非課税(NISAの恩恵が受けられる)証券会社のマイページで設定
配当金領収証方式課税(20.315%)郵便局で受け取る方式
登録配当金受領口座方式課税(20.315%)銀行口座指定の方式
個別銘柄指定方式課税(20.315%)銘柄ごとに指定する方式

設定方法:証券会社のマイページ(またはアプリ)→「配当金受取方式」→「株式数比例配分方式」を選択。証券会社ごとにメニュー名が異なりますが、初めて設定する際に案内される場合も多いです。SBI証券・楽天証券ともにアプリから数クリックで変更できます。

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成長投資枠でNGな商品・よくある誤解

成長投資枠は「何でも買える」わけではありません。以下の商品は除外されています。

  • 毎月分配型の投資信託:分配金で複利効果が下がるため金融庁が対象外に
  • 高レバレッジ型(2倍ブル・3倍ベアなど):短期投機向けで長期投資に不適
  • 整理銘柄・監理銘柄:上場廃止リスクがある銘柄
  • 信託期間が20年未満の投資信託
  • デリバティブを活用した複雑な商品

よくある誤解として「成長投資枠でオルカンやS&P500ファンドを買ってはいけない」と思っている方もいますが、これは誤りです。積立投資枠の対象ファンドは成長投資枠でも購入できます。成長投資枠で積立+一括の両方でオルカンを買うことも可能です。

月収別・両枠の最適な活用パターン

積立投資枠と成長投資枠の組み合わせパターンを月収別に示します。

手取り月収積立投資枠成長投資枠年間合計
20万円台月3万円(年36万円)なし36万円
30万円台月5万円(年60万円)なし or ボーナス時一括60〜100万円
40万円台月10万円(年120万円)年120万円程度240万円
50万円以上月10万円(年120万円)年240万円(上限)360万円(年間上限)

まず積立投資枠を月10万円で埋めることを優先し、余裕があれば成長投資枠を活用するのが基本戦略です。成長投資枠は一括投資にも対応しているため、ボーナス時に追加投資するのにも適しています。

【実例】40代共働き夫婦が両枠をフル活用する戦略

松田さん夫妻(夫43歳・妻41歳・世帯年収1,200万円)は子どもが独立し教育費の負担がなくなった。老後に向けて15年でNISA枠を最大活用したいと考えています。

利用者内容年間投資額
つみたて投資枠eMAXIS Slim全世界株式を月10万円クレカ積立120万円
つみたて投資枠eMAXIS Slim S&P500を月10万円クレカ積立120万円
成長投資枠高配当日本株ETF(1489)をボーナス時年120万円一括120万円
成長投資枠eMAXIS Slim全世界株式をボーナス時年120万円追加一括120万円
世帯合計夫婦計つみたて240万円+成長240万円480万円/年(最大720万円まで可)

松田さん夫妻の場合、世帯合計で年480万円を投資し、約7〜8年で夫婦それぞれの生涯枠1,800万円(計3,600万円)を使い切る計画です。夫はつみたて枠でオルカン・成長投資枠で高配当ETFと役割分担することで、「老後の資産成長」と「60代以降の配当収入」を同時に設計しています。

成長投資枠の生涯上限は1,200万円(夫婦で合計2,400万円)。つみたて枠の残りの600万円(夫婦で1,200万円)と合わせて、夫婦合計3,600万円を使い切るためには成長投資枠の活用が必要です。

「積立投資枠だけでいいのか」という疑問への答え

初心者や少額投資家にとっては「積立投資枠だけで十分」が答えです。成長投資枠を無理に使う必要はありません。

ケース積立投資枠だけで十分か理由
月3〜5万円の積立をしたい十分年60万円以下なら積立枠で完結。成長枠不要
月10万円の上限積立をしたい十分つみたて枠のみで年120万円。成長枠は追加でOK
ボーナスを追加投資したい不十分つみたて枠は積立専用。一括投資は成長投資枠が必要
個別株・高配当ETFを買いたい不十分成長投資枠でないと個別株は購入不可
1,800万円を5〜10年で埋めたい不十分つみたて枠のみだと15年必要。成長枠も使い年360万円が最速

「積立投資枠だけで十分」なのは年間120万円以下の積立で、インデックスファンドのみで完結させたい場合です。ボーナスの一括追加・個別株・高配当ETF・枠の早期消化を検討するなら成長投資枠が必要になります。自分の投資スタイルと目標に合わせて使い分けましょう。

まとめ

積立投資枠はシンプルな長期積立投資向け、成長投資枠は自由度の高い幅広い投資向けです。初心者は積立投資枠でインデックスファンドの自動積立から始め、慣れてきたら成長投資枠で個別株や高配当ETFを追加していくのが理想的な使い方です。配当金を受け取る場合は「株式数比例配分方式」の設定を忘れずに行いましょう。

  • 積立投資枠(年120万円):金融庁厳選の低コスト投信のみ・定期積立専用・初心者に最適
  • 成長投資枠(年240万円):個別株・ETF含む幅広い商品・一括・積立どちらも可
  • まず積立投資枠でオルカンの自動積立を設定してから、余裕があれば成長投資枠を活用
  • 配当受取には「株式数比例配分方式」の設定が必須(設定なしでは課税される)
  • 年間360万円フル活用すれば5年で生涯枠1,800万円を使い切れる

よくある質問

Q. 積立投資枠と成長投資枠は同じ年に同時に使えますか?

A. はい、同じ年に両方の枠を同時に使えます。年間合計360万円(積立120万+成長240万)が上限です。

Q. 成長投資枠で同じファンド(オルカンなど)を購入できますか?

A. できます。積立投資枠の対象ファンドは成長投資枠でも購入可能です。成長投資枠で一括投資やスポット購入ができます。

Q. 配当金をNISAで非課税にするために何か設定が必要ですか?

A. はい、「株式数比例配分方式」への変更が必要です。この設定をしないと配当金に20.315%の税金がかかります。証券会社のアプリやウェブサイトから数クリックで設定変更できます。

Q. 積立投資枠の年間120万円は何月でもよいですか?

A. はい、1月〜12月の間に合計120万円の範囲であれば、毎月一定額でも不均等な金額でも構いません。月10万円を12ヶ月で上限に達するのが最も効率的です。

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