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入門

NISAはいつ始めるべき?1日でも早く始めるべき理由を解説

「NISAをいつ始めればいい?」という疑問に答えます。複利の力・開始時期の違いによる資産差・今すぐ始める3つの理由を解説。

マネーSIM編集部

FP2級・証券外務員一種 | NISA・資産運用・税制専門

なぜ早く始めるほどいいのか

投資の世界では「時間は最大の武器」と言われます。その理由は「複利効果」にあります。複利とは、運用で得た利益をそのまま再投資することで、利益がさらに利益を生み出す仕組みです。この効果は時間が長ければ長いほど、指数関数的に大きくなります。

たとえば月3万円を年利5%で積み立てた場合、20年後の資産額は約1234万円(元本720万円+運用益約514万円)になります。一方、同じ条件で30年間積み立てると約2496万円(元本1080万円+運用益約1416万円)になります。たった10年の差で、運用益が約900万円も変わってくるのです。

複利効果は長期になるほど加速します。20年目から30年目の10年間で増える運用益は、1年目から10年目の10年間で増える運用益の約4〜5倍になることもあります。

開始時期による資産差(シミュレーション)

25歳、30歳、35歳、40歳でNISAを始めた場合、65歳時点での資産額がどれだけ変わるかをシミュレーションで確認してみましょう。条件は毎月5万円の積立、年利5%(税引前)、NISA口座内のため運用益は非課税とします。

開始年齢積立期間元本総額65歳時の資産額(年利5%)運用益
25歳40年2400万円約7614万円約5214万円
30歳35年2100万円約5824万円約3724万円
35歳30年1800万円約4321万円約2521万円
40歳25年1500万円約2979万円約1479万円

25歳と40歳を比べると、毎月の積立額は同じ5万円でも、65歳時点の資産額に約4635万円もの差が生まれます。これが早期開始の力です。また、25歳スタートの場合は生涯非課税枠1800万円を超える元本を投資することになりますが、途中で枠を使い切った分については通常の課税口座で運用を続けることになります。

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「待つリスク」vs「投資リスク」

「今は相場が高いから、下がってから始めよう」と考えて投資を先延ばしにしてしまう人は少なくありません。しかし、この「待つ」という選択には「機会損失リスク」が伴います。相場のタイミングを計ることは、プロの投資家でも非常に難しく、多くの場合は「待ち続けること」自体が損失につながります。

  • 投資リスク: 相場が下落して資産が一時的に減少するリスク
  • 待つリスク①: 相場が上昇し続けて安い価格で買えなくなるリスク
  • 待つリスク②: インフレによって現金の実質的な価値が目減りするリスク
  • 待つリスク③: 積立を始めるのが遅れることで、複利効果を享受できる期間が短くなるリスク

日本の消費者物価指数は2022年以降に上昇傾向が続いており、2026年現在も物価上昇が家計に影響を与えています。現金を銀行口座に置き続けるだけでは、物価上昇による実質的な価値の目減りを避けられません。長期の積立投資は、インフレへの対抗手段としても重要な役割を持ちます。

ベストな開始タイミング

結論から言えば、NISAを始めるベストなタイミングは「今すぐ」です。相場の高安を問わず、一定額を定期的に積み立てるドルコスト平均法は、高値づかみのリスクを自動的に平準化してくれます。毎月コツコツと続けることで、相場が高い時も安い時も、長期にわたって平均的なコストで購入できます。

ただし、始める前に最低限の準備は必要です。生活費の6ヶ月分程度の緊急予備資金を現金で手元に確保してから投資を始めましょう。緊急時に投資資産を売却せざるを得ない状況を避けるためです。特に運悪く市場が下落しているタイミングで売却すると、大きな損失につながります。

  • 緊急予備資金(生活費6ヶ月分)を手元に確保する
  • 毎月の支出を見直し、無理なく積み立てられる金額を決める
  • 証券会社を選んで口座開設を申し込む(審査に1〜2週間)
  • 低コストのインデックスファンドで積立設定をする
  • あとは相場を気にせず積立を継続するだけ

「今が高値だから待つ」は本当に正解か:歴史的検証

「相場が高い今は投資を始めるのは怖い。下がったら始めよう」という考え方は直感的には正しそうですが、実際のデータを見るとほとんどのケースで「待つ」より「今すぐ始める」方が有利という結果が出ています。

シナリオ2019年1月から月5万円積立2020年3月(コロナ底値)から月5万円積立
開始タイミング相場が高かった時期に開始「待ってから始めた」最良ケース
2025年時点の資産約472万円(元本360万円)約322万円(元本300万円)
結果早く始めた方が有利底値スタートでも時間で追いつけない

コロナショックのような「絶好の買い時」を正確に捉えることは、プロのファンドマネージャーでも難しく、個人投資家はほぼ不可能です。多くの人は「もう少し下がるかも」と待ち続け、結局上昇してから焦って買い、高値をつかむパターンに陥ります。「今すぐ始めて積立継続」が最もシンプルで効果的な戦略です。

JPモルガンの研究によると、S&P500に1990〜2020年の30年間投資し続けた場合の年率リターンは約9.9%。しかし最もパフォーマンスが良い20日間を逃した場合の年率リターンは6.0%に低下します。市場にいる時間が長いほど、好調な日を自然と取り込めます。

【実例】月1万円から始めた23歳が35歳で資産1,000万円を超えた道筋

小林さん(23歳・新卒・手取り21万円)は入社後すぐにNISAを月1万円で始めました。奨学金返済中で余裕が少なかったですが、「まず始める」を優先。毎年の昇給分を積み立てに回し続けました。

年齢月積立額累計元本評価額(年率6%試算)
23歳(開始)月1万円12万円約12.7万円
25歳(昇給後)月2万円へ増額60万円約66万円
28歳(結婚・同居で固定費減)月3万円へ増額156万円約186万円
30歳(管理職昇進)月5万円へ増額276万円約355万円
33歳月5万円継続456万円約650万円
35歳(12年後)月5万円継続576万円約892万円

小林さんは35歳時点で元本576万円に対し評価額892万円(年率6%試算)。月1万円という少額スタートでも、昇給のたびに増額し12年継続した結果です。23歳と25歳のたった2年の差が、長期では数百万円の差を生み出しています。「完璧な準備が整ったら」ではなく「今すぐ最小額で始める」が最善です。

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まとめ

NISAを早く始めることのメリットは、複利効果を長く享受できる点にあります。同じ月5万円の積立でも、25歳と40歳では65歳時点の資産額に4000万円以上の差が生まれることがシミュレーションで示されています。

  • 1年の先送りで数百万円の機会損失:月5万円・年率5%なら1年遅れると65歳時点で約50万円以上の差
  • 「相場が落ち着いたら」は危険:底値を当てることはほぼ不可能で、待つほど損になる
  • 月1万円からスタートが正解:少額でも始めれば昇給のたびに増額でき、複利の時計が動き始める
  • インフレも放置のリスク:年率2〜3%のインフレで現金は毎年目減りする
  • 完璧な準備は不要:始めてから改善するスタンスが長期投資では成功につながる

「相場が落ち着いてから」「収入が増えてから」と先延ばしにすればするほど、この差は広がっていきます。まずは少額でも構いません。月1万円からでも今すぐ始めることが、将来の資産形成への最大の一歩です。

よくある質問

Q. 50代からでもNISAを始める意味はありますか?

A. もちろんあります。50代から始めても、65歳までの15年間は非課税で運用できます。また、65歳以降も保有を継続でき、非課税期間は無期限のため引き続き恩恵を受けられます。「遅すぎる」ということはありません。

Q. 毎月の積立額は一度決めたら変えられませんか?

A. 積立額はいつでも変更できます。最初は少額で始めて、収入が増えたり生活が安定したりしてから増額する方法もあります。重要なのは継続することなので、無理のない金額でスタートするのがおすすめです。

Q. 年利5%というシミュレーションは現実的ですか?

A. 過去のデータを見ると、全世界株式や米国株式のインデックスファンドは長期的に年率5〜8%程度のリターンを出してきました。ただし将来のリターンを保証するものではなく、年によってはマイナスになることもあります。シミュレーションはあくまで参考値として捉えてください。

Q. 積立投資は相場が暴落した時も続けるべきですか?

A. 長期的な視点では、暴落時こそ安い価格で多くの口数を購入できるチャンスです。歴史的に見て、株式市場は暴落後に回復・成長を繰り返してきました。感情に左右されず積立を継続することが、ドルコスト平均法の効果を最大化するポイントです。

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