日本人は実際にNISAで月いくら積み立てているか
「みんな月いくら積み立てているのか」を知ることで、自分の積立額の参考になります。2つの公的データを見てみましょう。
| データソース | 指標 | 数値 |
|---|---|---|
| 日本証券業協会(2025年1月調査 n=7,610人) | つみたて投資枠 年間平均購入額 | 47.3万円(月約3.9万円) |
| 日本証券業協会(2025年1月調査 n=7,610人) | 成長投資枠 年間平均購入額 | 103.3万円 |
| 金融庁(2025年6月末) | NISA口座数 合計 | 2,696万口座 |
| 金融庁(2025年6月末) | 2025年上半期 買付額 | 10兆5,008億円 |
| 金融庁(2025年6月末) | 2014年〜累計 買付額 | 63.1兆円 |
NISA口座は約2,696万口座と日本の成人の約4人に1人が保有している計算です。2025年上半期だけで10兆5,000億円超が買い付けられており、新NISAへの関心の高さが数字に表れています。
「平均3.9万円に合わせる必要はありません。平均は高収入層に引っ張られやすく、月1〜2万円で始める人も多くいます。自分の家計・目標・年齢から逆算した金額が正解です。
年代別のNISA口座数と積立の実態
金融庁データによると、NISA口座を最も多く保有するのは50歳代です。しかし増加率では10歳代(28.5%増)が最も高く、若年層での投資意識の高まりが見られます。
| 年代 | NISA口座数(2025年6月末) | 特徴 |
|---|---|---|
| 10歳代 | (データ非公開) | 前年比28.5%増・最高増加率 |
| 20歳代 | (データ非公開) | 少額から始める層が多い |
| 30歳代 | 約472万口座 | 住宅・教育費と並行する世代 |
| 40歳代 | 約516万口座 | 収入ピーク・積立増額の好機 |
| 50歳代 | 約525万口座(最多) | 老後準備が本格化する世代 |
30代・40代・50代がそれぞれ約500万口座前後と拮抗しており、「NISAは若者だけのもの」ではないことがわかります。何歳から始めても遅くはありません。
積立金額別・将来資産シミュレーション
月々の積立額がどれだけ将来資産に差を生むかを、年率5%(全世界株式インデックスの長期期待値に近い水準)で試算しました。
| 月積立額 | 10年後 | 20年後 | 30年後 | 節税額(課税口座比較) |
|---|---|---|---|---|
| 月1万円 | 約155万円 | 約411万円 | 約832万円 | 約169万円 |
| 月2万円 | 約310万円 | 約822万円 | 約1,664万円 | 約337万円 |
| 月3万円 | 約465万円 | 約1,233万円 | 約2,496万円 | 約506万円 |
| 月5万円 | 約775万円 | 約2,055万円 | 約4,161万円 | 約844万円 |
| 月10万円 | 約1,551万円 | 約4,110万円 | 約8,321万円 | 約1,687万円 |
節税額は課税口座(税率20.315%)との比較です。月5万円・30年で約844万円の税金が非課税になる計算です。NISAの非課税メリットは長期・多額になるほど大きくなります。
月1万円でも30年で約832万円になります。「少額だから意味がない」は誤りで、むしろ早く始めることの方が積立額より重要です。
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【年収×年代】積立金額マトリックス
手取りの10〜20%が無理なく継続できる目安とされています。年収と年代の組み合わせでおおよその積立額を確認してください。
| 年齢 \ 年収 | 〜300万円 | 300〜500万円 | 500〜700万円 | 700万円以上 |
|---|---|---|---|---|
| 20代(独身) | 月1〜2万円 | 月2〜3万円 | 月3〜5万円 | 月5〜10万円 |
| 30代(住宅・子育て) | 月1〜2万円 | 月2〜3万円 | 月3〜5万円 | 月5〜8万円 |
| 40代(収入ピーク) | 月2〜3万円 | 月3〜5万円 | 月5〜7万円 | 月7〜10万円 |
| 50代(老後準備) | 月3〜5万円 | 月5〜7万円 | 月7〜10万円 | 月10万円(上限) |
30代は住宅ローン・子育て費用が重なりやすく、同じ年収でも20代より可処分所得が少ない場合があります。40〜50代は収入ピーク期で積立増額の絶好のタイミングです。特に50代は生涯投資枠1,800万円(2027年以降はこどもNISA含め拡大)を早期に埋める意識で積極的に活用しましょう。
老後2,000万円に届く月積立額の逆算
「老後いくら必要か」の目標から「今いくら積み立てるべきか」を逆算する方法が実践的です。年率5%で試算しています。
| 開始年齢 | 65歳まで | 2,000万円に必要な月額(年5%) | 現実的な判定 |
|---|---|---|---|
| 25歳 | 40年 | 約1.6万円 | ◎ 非常に余裕 |
| 30歳 | 35年 | 約2.4万円 | ◎ 無理なく達成 |
| 35歳 | 30年 | 約3.6万円 | ○ 達成可能 |
| 40歳 | 25年 | 約5.6万円 | △ やや高め・増額が必要 |
| 45歳 | 20年 | 約9.8万円 | ▲ 上限(月10万円)に近い |
| 50歳 | 15年 | 約19.4万円 | × NISA上限を超える→退職金活用が必須 |
30歳スタートなら月2.4万円という現実的な金額で老後2,000万円を目指せます。50歳以降は積立投資枠の上限(月10万円)では不足するため、成長投資枠への退職金一括投資や、iDeCoとの組み合わせも検討しましょう。
自分に合った積立額を決める3ステップ
ステップ1:生活防衛資金を先に確保する
生活費の3〜6ヶ月分(独身3ヶ月、家族持ち6ヶ月)を手をつけない現金で別口座に確保します。この資金がないと、株価下落時に「生活費のために売却」という最悪のタイミングで損失を確定させるリスクがあります。
ステップ2:「残り投資」ではなく「先取り積立」を設定する
毎月余ったお金を投資する「残り投資」は失敗します。給与振込日の翌日に自動引き落としが走るよう設定する「先取り積立」が継続の鍵です。SBI証券・楽天証券ともに「毎月×日に積立」設定で完全自動化できます。
ステップ3:少なめに始めて「昇給・ボーナスのたびに増額」する
最初から無理な金額を設定して途中停止すると意味がありません。「生活に全く影響しない金額」から始め、昇給・ボーナス・固定費削減のたびに増額します。積立設定の変更はアプリでいつでも無料でできます。
| ライフイベント | 増額の目安 |
|---|---|
| 昇給(月1〜3万円増) | 増加分の50%を積立に回す |
| ボーナス(年1〜2回) | 成長投資枠で一括追加投資 |
| 固定費削減(保険見直し等) | 削減額をそのまま積立へ |
| 子どもが独立・教育費終了 | 月+3〜5万円へ一気に増額 |
| 住宅ローン完済 | ローン返済額分を積立へ転換 |
2027年〜こどもNISAで家族全体の積立戦略が変わる
2026年度税制改正(2025年12月26日閣議決定)により、2027年1月から「こどもNISA(こども支援NISA)」が開始されます。家族単位での年間非課税投資枠が大幅に拡大します。
| 家族構成 | 2026年まで(年間上限) | 2027年〜(年間上限) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 独身 | 360万円 | 360万円 | 変化なし |
| 夫婦2人 | 720万円 | 720万円 | 変化なし |
| 夫婦+子1人 | 720万円 | 780万円(+60万) | +60万円 |
| 夫婦+子2人 | 720万円 | 840万円(+120万) | +120万円 |
子どもが2人いる家族なら、2027年以降は年840万円まで家族全体で非課税投資できます。こどもNISAは0〜17歳が対象で年60万円・総額600万円。12歳未満は引き出し不可・18歳で自動的に成人NISAへ移行します。
こどもNISAの投資は子ども名義の口座で行います。子どもの将来の教育費・住宅購入資金としての活用も想定されています。
まとめ:積立額より「始めること」と「継続すること」が重要
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「月いくら積み立てるか」の正解は人によって異なります。日本の平均は月約3.9万円ですが、月1万円でも30年で832万円(非課税)になります。大切なのは①生活防衛資金を先に確保②先取り積立で自動化③老後目標から逆算した金額設定、の3ステップです。まず無理なく継続できる金額で始め、ライフイベントのたびに増額していく姿勢が長期的な資産形成の成功につながります。
よくある質問
Q. 新NISAで月いくら積み立てている人が多いですか?
A. 日本証券業協会の2025年1月調査(n=7,610人)によると、つみたて投資枠の平均は年47.3万円(月約3.9万円)です。ただし平均値は高収入層に引っ張られやすいため、月1〜2万円で始める人も多くいます。大切なのは平均に合わせることではなく、自分が継続できる金額を選ぶことです。
Q. 月1万円の積立でも意味がありますか?
A. 十分に意味があります。月1万円を年5%で30年運用すると約832万円になります。課税口座と比較した節税額も約169万円と決して小さくありません。少額でも「始めること」「継続すること」が最も重要です。
Q. 積立金額は途中で変えられますか?
A. いつでも変更できます(設定変更の反映タイミングは証券会社によって翌月〜翌々月等の違いあり)。増額・減額・一時停止すべて無料で可能です。最初は少額で始めて昇給のたびに増額するのがおすすめです。
Q. ボーナスをNISAに一括投資するのは有効ですか?
A. 成長投資枠を使えば年240万円まで一括投資できます。積立との組み合わせで生涯枠1,800万円を早期に消化できるため、余剰資金がある場合は有効な選択肢です。ただし一括投資は高値をつかむリスクもあるため、数ヶ月に分けて投資する方法も検討してください。
Q. 2027年からのこどもNISAとはなんですか?
A. 2026年度税制改正で創設された0〜17歳向けのNISAです。年60万円・総額600万円まで非課税投資できます。12歳未満は引き出し不可で、18歳になると成人NISAへ自動移行します。子ども2人の家族なら年840万円が家族全体の非課税投資上限になります。
Q. 50代から始めるNISAは遅いですか?
A. 遅くはありません。50代から月10万円(年120万円)を10年積み立てると、年5%で約1,551万円になります。さらに退職金を成長投資枠(年240万円)に活用すれば生涯枠1,800万円を短期間で活用できます。老後の取り崩しまで10〜15年あれば十分な運用期間です。