コンテンツへスキップ
投資商品

NISA投資信託の選び方【初心者が失敗しない5つのポイント】

NISAで投資信託を選ぶ際の5つのポイントを解説。信託報酬・純資産総額・分配金・インデックス型vs アクティブ型の見極め方を紹介。

マネーSIM編集部

FP2級・証券外務員一種 | NISA・資産運用・税制専門

NISAの投資信託選びの4大原則

金融庁のデータによると、新NISAのつみたて投資枠で購入された投資信託の88.1%がインデックス投信です。専門家も投資初心者も、長期積立にはインデックス投信を選ぶことが共通した結論になっています。NISAで失敗しない投資信託の選び方には4つの原則があります。

原則基準理由
①インデックス型を選ぶパッシブ運用(指数連動)長期ではアクティブファンドの約80〜90%がインデックスに負けるというデータがある
②信託報酬が低い年0.2%未満(理想は0.1%未満)コスト差が30年間の複利で数百万円の差になる
③純資産が十分に大きい100億円以上(できれば1,000億円超)規模が小さいと繰上償還(強制解約)リスクがある
④積立投資枠の対象商品金融庁が認定した商品長期・積立・分散投資に適していると認定済み

2027年1月からの2026年度税制改正で、積立投資枠の対象商品が拡充されます。債券比率50%超のファンドも積立投資枠の対象に追加される予定で、より保守的な資産配分の商品も選べるようになります。

2026年版おすすめ投資信託:カテゴリ別比較

信託報酬・純資産・実績の3点で優れたファンドを比較します。2026年3月時点の最新データです。

カテゴリ代表ファンド信託報酬純資産(2026年3月)向いている人
全世界株式eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)0.05775%/年約10兆円(国内最大)分散重視・1本で完結したい
米国株式(S&P500)eMAXIS Slim米国株式(S&P500)0.09372%/年約5〜6兆円米国成長に確信がある
米国株式(低コスト)SBI・V・S&P500インデックス・ファンド0.0638%/年約1.5兆円S&P500をより低コストで
先進国株式(日本除く)eMAXIS Slim先進国株式インデックス0.09889%/年約5,000億円超米国+欧州先進国に分散
国内株式eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)0.143%/年約3,000億円日本株にも投資したい
バランス型eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)0.143%/年約2,000億円株・債券・REITを1本で分散

初心者の大多数が「eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)」を第一候補として選んでいます。1本で世界約47カ国・2,800銘柄に自動分散でき、信託報酬は業界最低水準の0.05775%。純資産10兆円という規模は繰上償還リスクがほぼゼロであることを示しています。

インデックスvsアクティブ:30年間のコスト差を計算

アクティブファンドの信託報酬は年1〜2%が一般的で、インデックスファンド(0.05〜0.1%)と比べると10〜40倍のコスト差があります。このコスト差が長期間に渡る複利でどれほどの影響を与えるか計算します。

ファンドタイプ信託報酬月5万円・30年後(年率6%から引いた後)
超低コストインデックス(オルカン)0.05775%/年元本1,800万円→約6,030万円(実質年率5.94%)
一般的インデックス0.2%/年元本1,800万円→約5,880万円(実質年率5.8%)
低コストアクティブ1.0%/年元本1,800万円→約4,780万円(実質年率5%)
高コストアクティブ1.5%/年元本1,800万円→約4,265万円(実質年率4.5%)

オルカンと高コストアクティブファンドの30年後の差は約1,765万円です。同じ指数に連動するファンドでもコスト差が積み重なります。また長期ではアクティブファンドの多くが市場平均を下回るというS&P社の調査(SPIVAレポート)の結果も考慮すると、低コストインデックスを選ぶ合理性は明確です。

失敗しない投資信託選びの実践チェックリスト

投資信託を選ぶ前に以下を確認します。すべての項目が「○」なら安心して長期保有できるファンドです。

  • ✓ 積立投資枠の対象商品かどうか(SBI証券・楽天証券の商品一覧で確認)
  • ✓ インデックス型(パッシブ運用)であること(アクティブ型は基本避ける)
  • ✓ 信託報酬が年0.2%未満(できれば0.1%未満)
  • ✓ 純資産が100億円以上(1,000億円超が理想)
  • ✓ 毎月分配型ではないこと(分配金を出すと複利効果が低下)
  • ✓ 為替ヘッジなし(長期投資には不要・コスト増加の原因)
  • ✓ 設定からの運用期間が3年以上(実績が確認できる)

「成長投資枠のみ対象」のファンドには毎月分配型・レバレッジ型・アクティブ型などが含まれます。これらは積立投資枠では買えないため、慎重に検討が必要です。

実際の積立額を計算してみよう

月額・利回り・期間を入力するだけ。無料で複利シミュレーション

NISAシミュレーターを使う →

よくある間違い:避けるべき商品の特徴

商品タイプ問題点代替案
毎月分配型投信分配金で複利効果が低下。積立投資枠対象外分配金なしのインデックスファンドを選ぶ
レバレッジ2倍・3倍型成長投資枠でも購入不可(NISAの対象外)レバレッジなしのインデックスファンド
為替ヘッジあり型ヘッジコストで年0.5〜1%の追加コスト発生同一指数の為替ヘッジなし版を選ぶ
高コストアクティブ型信託報酬1%以上で長期コストが膨大同カテゴリの低コストインデックスへ
テーマ型(AI・半導体など)特定セクター集中でリスク高・信託報酬も高め全世界株式インデックスで自動的にテーマも含む

【実例】高コストファンドからオルカンに切り替えた30代の結果

渡辺さん(32歳・会社員・月5万円積立)は2020年にNISAを始めた際、銀行の窓口で勧められた信託報酬1.5%のアクティブファンドを購入。2年後に信託報酬のコスト差を知り、オルカン(0.05775%)に乗り換えました。

比較項目銀行窓口で購入したアクティブファンド乗り換え後:オルカン
信託報酬年1.5%年0.05775%
2年間のコスト負担(月5万円)約18万円約0.7万円
残り28年間(乗り換え後)の予測コスト差約550万円の差が出る低コストで複利フル活用
乗り換えの手続きNISA口座内で売却→再購入(当年枠が必要)

渡辺さんのケースでは、乗り換えを2年後に決断したことで残り28年間のコスト差が約550万円節約できる計算です。ただし乗り換えには注意が必要で、NISA口座内での売却・再購入は当年の投資枠を消費します。また売却のタイミングによっては評価益が確定します。「今後の方向性を正すための判断」として行う価値があります。

「今の保有ファンドを乗り換えるべきか」迷ったら、年間コスト差×残り運用年数で試算してみましょう。差が100万円以上になるなら乗り換えを検討する価値があります。

実際の積立額を計算してみよう

月額・利回り・期間を入力するだけ。無料で複利シミュレーション

NISAシミュレーターを使う →

まとめ:迷ったらオルカン1本

NISAの投資信託選びは「インデックス・低コスト・大型・積立投資枠対象」の4条件を満たせばほぼ失敗しません。迷ったら「eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)」1本に絞るのが、最もシンプルで継続しやすい選択です。

  • 1本で完結したい→ eMAXIS Slim全世界株式(オルカン)
  • 米国重視→ eMAXIS Slim米国株式(S&P500)またはSBI・V・S&P500
  • コストの最安値→ SBI・V・S&P500インデックス(年0.0638%)
  • バランス重視→ eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
  • 信託報酬1%超の商品は長期投資において致命的なコスト負担になりうる
  • 銀行の窓口で勧められたファンドは高コストアクティブが多いため要確認

よくある質問

Q. NISAで複数のファンドに分散投資するべきですか?

A. 1〜3本程度に絞るのが管理しやすくおすすめです。オルカン1本でも世界約2,800銘柄に分散されているため、初心者は1本から始めるのが理想的です。オルカンとS&P500を両方持つのは、相関係数が0.97と高くリスク分散効果がほぼないため、1本に絞る方が合理的です。

Q. 信託報酬0.05%と0.2%の差はどれくらい影響しますか?

A. 月5万円・30年間積立で比較すると、年率0.15%の差が最終資産で約150万円の差になります(複利効果含む)。さらに実際のアクティブファンドとの比較(1.5%差)では約1,765万円の差になります。長期投資では「できるだけ低コスト」の選択が非常に重要です。

Q. 毎月分配型ファンドはNISAで使えますか?

A. 積立投資枠の対象外です(成長投資枠では一部購入可)。毎月分配型は配当金を出すことで元本が減り、複利効果が損なわれます。長期の資産形成には「再投資型(分配金なし)」のインデックスファンドが適しています。

Q. ファンドの純資産残高が減ってきたら売却すべきですか?

A. 100億円を大きく下回り減少が続く場合は繰上償還(強制解約)のリスクがあるため注意が必要です。オルカン(純資産10兆円)やeMAXIS Slim S&P500(5〜6兆円)のような大型ファンドはこのリスクがほぼゼロです。初心者には大型ファンドを選ぶことをおすすめします。

関連記事