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投資手法

NISAに債券を組み入れる意味と米国債券ETFの活用法を解説

NISAに債券(先進国・米国国債)を組み入れる分散効果・リスク低減の仕組みを解説。若い世代に債券が不要なケースと、50代以降のポートフォリオへの組み入れ方も紹介。

マネーSIM編集部

FP2級・証券外務員一種 | NISA・資産運用・税制専門

NISAで債券に投資する意味とは?

債券は国や企業が資金調達のために発行する「借用証書」のような金融商品です。株式と比べてリターンは低いですが、値動きが安定しており「株式が下落する局面で逆相関(値上がりすること)」がある点が最大の特徴です。NISAに債券を組み入れることでポートフォリオ全体のリスクを下げる「分散効果」が期待できます。

比較項目株式債券
リターンの目安(長期)年5〜10%程度年1〜4%程度
リスク(価格変動)高い低い〜中程度
暴落時の動き大きく下落することがあるリスクオフ時に値上がりすることが多い
利金(利息)なし(配当がある場合も)定期的に利息(クーポン)あり
NISAでの活用積立投資枠・成長投資枠で購入可能成長投資枠・積立投資枠で一部購入可能

債券の分散効果は近年(2022年〜)の株式・債券同時下落局面で低下しています。特にインフレ・金利上昇局面では株式と債券が同時に下落することがあります。万能の保険ではないことを理解した上で活用してください。

NISAで買える債券投資信託・ETFの種類

国内債券ファンド

ファンド名信託報酬特徴
eMAXIS Slim国内債券インデックス0.132%日本国債中心。低リスク・低リターン
たわらノーロード国内債券0.154%NOMURA-BPI(国内債券指数)連動

先進国債券ファンド(為替ヘッジなし)

ファンド名信託報酬特徴
eMAXIS Slim先進国債券インデックス0.154%米国・欧州の国債中心。為替変動リスクあり
たわらノーロード先進国債券(為替ヘッジあり)0.187%為替リスクを抑えた先進国債券

米国債券ETF

コードETF名信託報酬特徴
2621iシェアーズ 米国債20年超ETF(為替ヘッジあり)0.176%米国超長期国債。金利低下時に値上がりしやすい
1482iシェアーズ・コア 米国債1-3年ETF0.176%短期米国債。金利変動の影響を受けにくい

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米国債券(長期国債)をNISAに組み入れる意義

米国長期国債(20年超)は株式との逆相関が最も強い資産クラスの一つです。リセッション(景気後退)局面では中央銀行が金利を下げるため、長期国債の価格が上昇します。2020年のコロナショック時(株式が約34%下落)では米国長期国債が+約20%上昇し、ポートフォリオの緩衝材として機能しました。

経済局面株式の動き米国長期国債の動き
リセッション・景気後退大幅下落上昇(金利低下で債券価格上昇)
インフレ・金利上昇通常は下落下落(金利上昇で債券価格下落)
好景気・リスクオン上昇下落またはヨコ

2022年〜2024年の金利上昇局面では米国長期国債が大幅下落(最大約50%)しました。株式・債券の逆相関はインフレ局面では崩れることがあります。「株60%・債券40%」は万能ではありません。

若い世代はNISAに債券は不要かもしれない理由

20〜30代の長期投資家にとって、NISAに債券を組み入れることが必ずしも最善ではありません。理由は以下の通りです。

  • 20〜30年の長期では株式の期待リターンが債券を大幅に上回る実績がある
  • 長期投資なら一時的な暴落も「時間」でカバーできる(時間こそが最大のリスク管理)
  • NISAには非課税の恩恵があるため、リターンの高い株式に集中することで非課税メリットを最大化できる
  • 現預金(生活費6ヶ月分以上)を別途確保していれば、NISAをリスク資産(株式)100%にする合理性がある

債券をNISAに組み入れることが有効なのは「①50代以降で老後資金保全が必要な方」「②精神的に株式の大幅下落に耐えられない方」「③退職まで5〜10年を切った方」などです。

よくある質問

Q. NISAで債券に投資するには何を買えばいいですか?

A. 初心者なら「eMAXIS Slim先進国債券インデックス」などの低コスト債券インデックスファンドが最もシンプルです。100円から積立設定でき、世界の先進国国債に分散投資できます。ETFに慣れているなら「iシェアーズ 米国債20年超ETF(2621)」なども成長投資枠で購入できます。

Q. 米国債券と日本国債はNISAではどちらがいいですか?

A. 長期の観点では米国債券(利回りが相対的に高い)の方が有利なケースが多いですが、米国債は為替リスク(円高で目減り)があります。日本国債は超低利回りですが円建てなので為替リスクがありません。「為替ヘッジあり」の先進国債券ファンドは為替リスクを抑えつつ先進国国債に投資できます。

Q. NISAで全額を債券にしてもいいですか?

A. 長期資産形成目的のNISAで全額を債券にすることはおすすめしません。債券は株式よりリターンが低く、特に低金利環境では元本が実質目減りするリスクもあります。老後の安定収入を重視する50〜60代でも、株式70%・債券30%程度のバランスが一般的です。

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